DH(指名打者)制の賛否 日本シリーズを観て

DH制はセリーグも導入した方がいい。

賛否はあるが、パリーグの姿が方向性を示している。

パリーグは1975年から導入。

セリーグは何度か検討されたが見合わせた。

なぜ反対されているのか?たいした内容ではない。

①伝統を重んじる傾向。

こんなの、パリーグが先にやって真似と言われたくないだけだ。

②投手が打席に立つことは野球の醍醐味であり、無くなると失われる。

これは、投手が9番打者とした場合、7番8番はどんな作戦で行くのか?9番に回ったらバントか打たせるのか代打か?などである。

確かに分かる。それは作戦冥利に尽きる場面だ。

③日本シリーズや交流戦で戦い方が変わりホームの利点が面白い。

もはやセリーグは利点無いと言える。



しかし、やはりDH制は検討した方が良い。


オリンピックやWBCといった国際大会でも導入されているDH制。

投手は、切れ目のない打線を相手に勝負を強いられることになり、相乗的に投手レベルは向上する。パリーグにパワー投手が育つのもうなづける。


ホークスを見てみよう。

打者がシーズン通じてレギュラーは9人いる。

また入れ替えなども激しく出来る。デスパイネをDHで使い、他の選手は8人守備機会がある。

つまり、野手の層が厚くなる。

牧原、川島、中村、福田、松田、内川、長谷川

などレギュラー、控えを任せて試合勘も冴え、機能する。


ジャイアンツは?

野手レギュラー固定8人の為、パリーグより機会が大幅に減る。

もしDH制だったらの例を出すと、

同じ試合に、

DH阿部、キャッチャー小林、ファースト岡本、セカンド田中俊太、サード若林、ショート坂本をスタメンで出せる。通常だと、阿部が代打、もしくは阿部がファーストなら岡本がサードに行き、若林が代打になる。


またDH阿部、キャッチャー小林、ファースト大城、セカンド田中俊太、サード岡本、ショート坂本をスタメンで出せる。通常だと、阿部が代打、もしくは阿部がファーストなら大城が代打になる。


つまりこの2パターンをDHも含め細かく入れ替えるだけで、若林、大城を始め多くの選手がレギュラークラスになる。

阿部が引退したので、違うパターンにはなるが、代打は手薄にしないよう、入れ替えで選手層を厚くしていく事が重要だ。しかしセリーグ制度だとなかなか育成がすすまない。

DH制は当初の野手の人材不足が懸念なのでそこの確保は必須だ。


では、パリーグホームゲームでは?

パリーグはそのままいつもの戦い方。

セリーグは、DHに代打の切り札や阿部やゲレーロを入れる。

代打が手薄になるだけなのだ。

また代打の切り札と言うが試合勘を維持は難しい。やはり試合にDHでも出ている選手には敵わない。


では、セリーグホームゲームでは?

セリーグはいつもの戦い方。

パリーグは、投手が打席に立たなければいけない。デスパイネが守らなければならない。

まずデスパイネの外野守備は不安だが、そこを突く攻撃はあまり出来ない。ヒットをツーベースに出来るか?タッチアップが普段より楽か?くらいでプロなら普通には守れる。

普段打席に立たない投手はどうか?

確かに打てないだろう。でもセリーグの投手も打てない。バントもあまり変わらない。

つまりは、あまりセリーグ有利にはならない。


つまりは、パリーグは毎年多くの野手を育てているのに対して、セリーグは遅れを取る。

また雇用機会を増やすパリーグが良いのではないか?


セリーグは、

野手不足による年俸の高騰を懸念しているのもある。

 DH制のメリットを考えてみると、

野手の出場機会増加による打者育成、

ベテランの活用と世代交代の円滑化、

外国人選手起用の選択肢拡大、

投手は投手で専念などがある。


投手の分業制が進み、沢村賞などは出なくなたのは寂しい。また200勝は中々出ないだろう。

250セーブや2000本安打は変わらない。

200勝の価値は格段に上がることは知っておきたい。


DHに関して、下記は、参考です。


 原辰徳監督が球団事務所を訪れ、山口寿一オーナーらにシーズン終了の報告を行った。5年ぶりリーグ制覇を評価されてねぎらわれた一方、「悔しい」と振り返ったのが球団29年ぶりの4連敗を喫したソフトバンクとの日本シリーズ。「DH制というので相当差をつけられている感じがある。セリーグもDH制は使うべきだろうね」と提言した。


 指揮官の大前提は「我々はルールに従った状態で野球をやる」というもの。ただ、05年に開始したセ・パ交流戦では、パが今季まで10年連続勝ち越し。セは09年の一度しか勝ち越しがない。勝率1位もパ球団が12度、セが3度という数字からも力の差が分かる。日本シリーズでも、13年の楽天から7年連続でパ球団が日本一となっている。


 DH制のメリットは多い。野手の出場機会増加による打者育成、ベテランの活用と世代交代の円滑化、外国人選手起用の選択肢拡大。原監督が「投手は投手で専念できる」と分析したように、野手9人と対戦することでレベルアップにつながる。NPBでも過去に話し合われた議題だ。


 広い視野で固定観念にとらわれない指揮官は「教育的」と話を広げた。高校野球ではレギュラーが9人から10人に増え、打撃に特化した選手の育成にもつながる。「ルールの違いに、どういうメリットがあるのか。レギュラーは増えた方が、ファンだって少年たちだっていい」と、球界発展のため持論を展開した。


 パは75年にDH制を導入。一方のセも導入へ向けてこれまでに何度か協議し、12年にも俎上に上がった。しかしセは「伝統をあまりにも根本的に覆しすぎる」などとDH制に長く反対の立場だったこともあり、導入には至らなかった。17年オフにも検討。実現はしなかったが、打者育成のために野手の出場機会を増やす方法の一つとして、今季から出場選手登録の人数が1人増の29人になった。