ありがとうマシソン!寂しいよ

阿部慎之助に続き、ジャイアンツのスコット・マシソンが今季限りでの「現役引退」を発表した。

日本シリーズ敗退決定後、東京ドームで「プロ野球生活を本日をもって終えたい。自分が描いた投球ができなくなった」と表明した。

来年の東京五輪まで母国のカナダ代表としプレーした後に完全にキャリアを終える。

来日8年間で通算421登板の鉄腕が、愛するジャイアンツのユニホームを脱ぐ。

マシソンは米国時代に右肘を2度手術。マイナー生活が長く、メジャー通算15登板1勝4敗と目立った成績は残せなかった。

 12年にジャイアンツに入団。

阿部慎之助が真っ先に声をかけて、食事に行くなど最大級のコミュニケーションを取ってくれた。日本に馴染む事が出来た最大の尊敬する人間が出来、野球に集中出来たのだろう。課題だった制球向上に熱心に取り組むと同時に野球観も変わった。「米国では3連投もしたことがなかった。日本に来て各選手の体のケアに関する意識の高さに驚いた。毎日トレーナーがケアしてくれるのも大きい。5連投も驚かなくなった」。裏方への感謝の思いも胸に、毎年フル回転でチームを支えた。


 入団1年目のからリーグ3連覇を経験。

「日本が大好き」と妻と2人の子どもと一緒に異文化になじみ、近年は「このチームは若く才能あふれる選手が多い。優勝を経験できれば自信になってもっと成長できる。もう一度、この仲間と優勝したい」とジャイアンツ愛を明かしていた。

 今季は昨年後半の左膝手術と難病の「エーリキア症」で出遅れ、来日最少の28登板も、5年ぶりの優勝に貢献し、心から喜んでいた。


 以前から「東京五輪で引退」と描いていた通り、今季限りでジャイアンツの選手を卒業する。

14年リーグ優勝の胴上げ投手。

横浜スタジアムでナマで観た感動のど真ん中にいた。


「ありがとう慎之助」として行われた今年9月27日の東京ドーム、ベイスターズ戦では、捕手を務めた阿部から指名され、来日初先発して阿部とバッテリーを組むなど思い出は尽きない。来月の世界野球プレミア12カナダ代表にも選出されていて、まずは夢の五輪に向け、母国のために最後の力を振り絞る。


 互いに尊敬し合う阿部と一緒に現役引退というのも何かの縁なのかもしれない。いや、昨年気持ちが途切れて引退でもおかしくなかったが、ジャイアンツ愛で戻ってきた。阿部が引退し、やり遂げた気持ちなのだろう。過去、1番の助っ人投手には引退試合をして欲しかったが、まだまだカナダ代表の仕事が残っている。でもジャイアンツに残り、若手に侍魂を、また特に外国人担当のコーチもして欲しい。


また昨日、日本野球史に残る助っ人が完全燃焼した。