3連敗後の4連勝の思い出！

2019/10/23 12:18

2000年の長嶋茂雄、王貞治の対決派、

2連敗からの4連勝で日本一になり、今回も第3戦に期待したが、及ばず3連敗に。

とするとだ！？

過去、日本シリーズでは、18度3連敗があり、そのうち3連敗からの4連勝はたった3度だけになる。16.7%だ。

やはりジャイアンツファンは1989年の3連敗から4連勝が思い出される。これは平成元年の奇跡。今年は令和元年の奇跡となるのか？

1989年の日本シリーズ、ジャイアンツは第1戦から3連敗したが、試合後に加藤哲郎投手が言ったとされる「巨人はロッテより弱い」発言にジャイアンツナインが発奮した。(実際はインタビュアーの誘導で弱いとは、言っていないとされている)

「伝説の失言」が飛び出したのは1989年10月24日。日本シリーズが東京ドームで初めて開催された日だった。近鉄はジャイアンツを3タテし一気に日本一へ王手。勝利投手の加藤は薄ら笑いを浮かべながら言い放った。

『この程度の相手に負けたら西武やオリックスに申し訳ないでしょ。こんなチームに勝たすわけにはいかない。』

関西誌かなんかの記者に『(パ・リーグ最下位の）ロッテより弱い？』という意地の悪い質問に『そうですね。』と返事した。これが球史に名高い加藤哲郎の「巨人はロッテより弱い」発言。

しかし、ヒーローインタビューでも、ジャイアンツナイン、ファンはムカついていた。

内容は、

『なんてことなかったですね。とりあえずファーボールだけ出さなかったら、打たれそうな気がしなかったんで。まぁたいしたことなかったですね。シーズンの方がよっぽどしんどかったですからね。相手も強いし。明日で決めたいですね。』と言った。隣にいたお立ち台の選手がこんな大舞台で言い過ぎと、びっくりしてキョロキョロしてたのが印象的でした。(バッテリーを組んだ光山捕手だった記憶？吉井もいたかなぁ？)

シーズン7勝(翌年1990年は0勝)の投手がジャイアンツに勝って日本一は間違いなしと調子に乗ってしまったのである。

また、補足だが、仲の良い記者にはリップサービスしちゃうが、記者はそれをすぐ書く。

加藤、吉井とバッテリーを組んだ光山は「巨人打線は本当にたたみかけるような迫力がないですね」と裏では仲の良い記者には話していた。またこの試合でセーブをあげた吉井は、『パリーグ公式戦の方がこれまでの日本シリーズより明らかに大変であった。』

中尾の代打に福王が起用されたことに（結果は外野フライ）、『中尾に比べて威圧感のない福王の方が投げやすかった』として『（巨人の選手起用に）感謝』と言っている。

1試合の結果で、更には後1勝3敗でよい状況に酔ってしまうのであった。

しかしながら、加藤発言の代償は高く、あまりの言われっぷりに奮起したジャイアンツナイン。決起集会ミーティングで全員がいきりたったらしい。当時の日本シリーズは全試合がデーゲーム。野手陣が東京ドームに残って打撃練習を行ったらしい。

第4戦の東京ドームは異様な雰囲気につつまれた。ジャイアンツファンが怒り、応援、怒号が物凄く、そこまでとは思わなかった近鉄ナインは萎縮した様に見えた。

そして香田勲男が完封した。(くしくも香田は加藤と同じシーズン7勝、翌年11勝をあげる。)

これをきっかけに、第5戦では絶不調だった原辰徳が19打席目に満塁ホームランを打ち復活、勝負を決めた第7戦では引退表明した中畑清がホームランを放つなど4連勝。大逆転で奇跡の日本一になった。

また第5戦でエース対決、斉藤雅樹対阿波野で制したのが大きかった。

最終7戦目では再登板した加藤から本塁打を放ったジャイアンツの駒田が『バーカ』と言い返したのも有名だ。それくらい奮起した。

実際は加藤の発言に奮起したのはあるがそれは1つの要因に過ぎず、近鉄の油断、ジャイアンツの7戦をしっかり戦える底力が優ったのが本来だろう。