岡本、丸!

巨人に若き1億円プレーヤーが誕生だ。岡本和真内野手(23)が3日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、6000万円アップの1億4000万円でサインした。24歳シーズンでの大台越えは、巨人では23歳シーズンで達成した松井秀喜、坂本勇人に次ぐ若さ。冒頭ではニヤニヤしながら「1000万円アップです。大台は突破しなかったです」とうそぶいたが、会見の最後に「本当の金額は」と詰め寄られると「恥ずかしいな、何て言えば…」とモジモジしながら「6000万アップです」と大台超えを明かした。


 プロ5年目の今季は初めて開幕4番を任され2年連続全試合出場。打率2割6分5厘、31本塁打、94打点で5年ぶりのリーグ優勝に導いた。打撃成績は3部門とも昨季の成績に届かず、4番を剥奪されスタメン落ちしたときもあった。「技術的にもメンタル面も去年より成長できた。支えてもらった裏方さんたちを春季キャンプではご飯に連れて行きたい」



 松井、坂本勇に次ぐ大台突破には「そういう方にはまだまだ及ばない」と謙遜。来季の目標は「今季は外されることもあったので、まずは全試合スタメンを目標にすれば、数字は付いてくる。オフはそれができる体づくりをしたい」と、3年連続全試合出場に「スタメン」の付加価値を付けて挑む。



 若き4番からの“口撃”が、丸の来季への発奮材料だった。都内の球団事務所で5年契約2年目となる来季の契約更改交渉に臨み、現状維持の4億5000万円でサイン。FA移籍1年目で全143試合に出場し、打率2割9分2厘、89打点、27本塁打。チームの5年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献したが、会見の席では冗談交じりで岡本からチクリと言われた言葉を明かした。


 「(個人成績は)全て中途半端だった。特に出塁率は岡本さんが『今年100打点いかなかったのは丸さんが出塁率4割いってないのもあるんですよ』って言われた。そこは肝に銘じてやっていかないといけない」


 広島在籍時の昨季はリーグ1位の4割6分8厘を誇った出塁率が、今季は3割8分8厘。リーグ5位と高い数字ではあるが、94打点に終わった“岡本さん”にとっては物足りない数字だったようだ。だからこそ、来季100打点達成をアシストするために「出塁率4割」を自らに課した。


 さらに会見では、試合の最終打席に立つ前に岡本から「丸さんで終わってください」との冗談話も明かし「だからいつも『死んでもおまえにつなぐから』って言ってます。四球を取れたら普段の四球よりもうれしい」と笑顔で振り返るなど、お互いの存在が刺激になっている。


 もちろん全てはチームの2連覇のため。後ろに座る若き大砲については「自信というか貫禄みたいなものも出てきているように感じた」と目を細める。だからこそ「何とか和真にいい形でつなげて、結果的に和真が100打点以上取ってくれればジャイアンツの2連覇も近づくと思う。僕も食らいついていきたい」と強調。3番・丸、4番・岡本のコンビのさらなる進化は相手にとって恐怖となるはずだ。