慎之助 引退会見

 

今シーズン限りで現役を引退表明したジャイアンツの阿部慎之助捕手(40)が25日、都内で引退会見をした。


記者は10のユニフォームのサプライズ。


 19年間で思い出のシーンを振り返り「今ですかね。今が最高の思い出」とファンを何度も感動させてきた笑顔で答えた。数々の記録を達成した記録の中で、誇れる数字に2千本安打を挙げた。「足が遅いので、一番内野安打少ない2千本と思う。価値があるのではないかと思います」と笑顔を絶やさなかった。


 東京ドームをはじめ、何度も「慎之助コール」で後押ししたファンの存在について、「代打の時の声援は、身震いするぐらい毎回感動した。よーし!という気持ちになれるし、ありがたい」と感謝の意を表した。


 キャッチャーというポジションについては「キャッチャーだったからこそ、ここまで打てた。配球の勉強だったり、身になって打席で考えたりできるようになった」と愛着のある定位置に思いをはせた。


 もう一度ボールを受けるならどのピッチャーのボールを受けたいですかと聞かれると「たくさん受けたい人いるけど…。現時点のチームメイトなら、マシソンかな。いろんな思い出がある。首に激痛が走ったときもマシソンだった」と話し、「沢村もまた捕って、頭引っぱたいてあげたいな」と冗談混じりに語った。


 キャプテンとしてリーグ優勝に貢献した坂本勇人選手の成長には「19歳のころは、こんな選手になるとは思ってなかった。主将になってから苦労しているのを見てきた。近年は数字を残してひっぱってきた。頼もしく見えた」とねぎらった。


 今後の展望は「もっと大事なゲームが控えているので、今は考えないようにしている。進展があれば皆さんにお伝えしようかなと思います」と未来の「阿部監督」誕生には明言を避けた。


引退を決めたタイミングについて、阿部は「(優勝した翌日の)神宮の初戦に監督と話す機会があって、思っていることがお互い一致した。そこで決まった」と述べた。


 一問一答


 「突然だったのでみなさんをビックリさせて申し訳ない」


 --原監督とのやりとりについて


 「監督の意向をお聞きして、自分も同じことを思った。すごく僕の将来だったりを僕が思っている以上に原監督が考えてくださった。そこで納得できたという言葉を使った」


 --誰に報告したか


 「とりあえず家族ですかね」


 --奥さん、お子さんの反応は


 「ビックリしてましたけど。子供たちはピンと来ていなかったのか、今年で野球やめるねといったら来年野球見に行くときにどうするのって。それくらいピンと来ていなかった」


 --家族へ


 「子供たちもそうだし、妻もそうだし、僕の兄弟や両親に、たくさん肩身の狭い思いをさせたと感じたときもあった。子供たちに阿部慎之助の娘、息子というプレッシャーもかけているかなとも思った。子供たちは去年、一昨年くらいから僕がプロ野球選手と理解していて、パパはなぜ打てないんだといってくれて奮起できたところもある」


 --引退の決断は優勝したことも影響したか


 「優勝もしましたし、節目の400号も打てましたし、坂本がキャプテンになって優勝できた。ある意味、僕も荷が下りた。それで決断したところもある」


 --原監督と13年ともに戦った


 「原さんがいなかったら僕はここまでなっていなかったと思う。ルーキーで何も知らない僕を開幕スタメンで使ってもらったり、それを承諾していただいた長嶋監督にも頭が上がらない。だからこそ、今後何らかの形で巨人に恩返しができればと思っている」


 --長嶋元監督への報告は


 「電話で報告はさせていただいた。これからまだ野球人生は長いからといっていただいた。お前は何歳になったんだと言われたので40歳ですといったら、もうおじいちゃんだなっていわれた」


 --長嶋元監督との思い出は


 「現役の時は神様以上の存在だった。何年か前、体調崩される前にもたまには食事に誘っていただいたりした。今でも感謝している」


 --現役生活で思い出のシーンは


 「今ですかね。まさかこういう記者会見をこんな盛大にしていただけると思っていなかった。引退を決めて、こうやって自分がしゃべっている想像もできなかった。今が最高の思い出かなと思う」


 --最後は捕手もできなかった


 「そこは自分自身でも悔しかった。やるといってできなかったので、ご迷惑かけたなと」


 --19年戦ってこれた原動力は


 「誰よりも野球が好きです。そこが原動力かなと思う」


 --誇れる数字、記録は


 「2000本打たれた方はたくさんいると思いますけど、足が遅くて一番内野安打が少ないんじゃないかと思うので、(2000本安打達成は)すごく価値があるんじゃないかと思う」


 --ファンの存在について


 「野球が好きだというのが原動力だといったけど、ここ数年代打で出場も多かったがそのときの声援は身震いするくらい毎回、感動させてもらっている。それがあったからこそ、よしという気持ちにもなった。ありがたい」


 --捕手への思い入れについて


 「キャッチャーだったからこそここまで打てたんじゃないかと思う。配球の勉強だったりそういうのが身になって打席でそういうのを逆に考えたりできるようになったのがこの結果になった」


 --仮にボールを受けられるなら誰のボールか


 「たくさん受けたいなと思うけど、現時点のチームメートなら、たくさん優勝も経験してきたし、マシソンかな。いろんな思い入れがあるので。僕が首に激痛が走ったときもマシソンなので。ファウルチップでなったときもマシソンなので。もちろん沢村もとってまた頭ひっぱたいてあげたいなと思う」


 --岡本への期待


 「今年も彼を見ていたら、彼のコメントだったり聞いていたら自覚はあるんだろうなと。去年よりはほとんど何も言っていない。自分が打たないで負けた試合も、あの若さでいえる選手になってくれた。将来の巨人にとっても心強い」


 --坂本勇は入団当初から面倒見てきた。成長は


 「19歳のころ自主トレに連れて行ったときはこんな選手になると思っていなかった。キャプテンになってから苦労しているのも見ていた。近年は数字を残して引っ張っているのをみていた。すごく頼もしく見えた」


 --今後の巨人との関わり


 「これから大事な試合が控えているので、今、そこは考えないようにして」


 --巨人軍とは


 「僕らが受け継いできたものを今の選手が次世代の選手に受け継いでいってくれればうれしい。そうしてほしい。常勝軍団と言われますけど、本当にその通りで、常に勝ちを求められて、勝って当たり前と思われて、その中で勝つことの難しさはみんな実感している。そこは特別なのかなと思う」


 --ファンに


 「19年間ですか。いろんなことがあって、話していたら明日の朝になってしまうくらい、いい思いでも辛い思い出もある。それでも球場に足を運んでいただいたり、打てないときでも応援してもらったり。そういうサポートがあったからこそ19年間できた。これから本当の戦いが待っている。巨人が日本シリーズに出られるように応援していただければ」



亀井、坂本、澤村、マシソンもサプライズ登場。

亀井、澤村は中央大学の後輩かぁ。

名選手出してきたなぁ。